<K2 CADの使い方>                    

     ラッツネット


■ 全般
 ・パターン作成・チェック に極めて有効なツールのラッツネット機能がK2CADにはあります。 ラッツネットとは 部品を配置すると、各端子間どこを結べば良いのかが
 点線の表示されたラインの集合体のことです。 パターンの自動設計のようなもので、パターン設計そのものにはなりませんが、どこへ配線すれば良いのかとか
 まだどれくらい配線が残っているのかといったことがわかります。また、配線を間違えているとラッツネットが消えませんのでミスの発見にも役立ちます。
  K2CADでは、サポートされている回路図エディタがD2CAD以外にも多々ありまが、 ここでは以下に D2CADから出力されたネットリストをもとにラッツネットを表示した
 例を紹介します。
 ・ ラッツネットを表示させるために 必須な要件として 以下があります。
   @ 回路図エディタ側の 参照番号(部品符号)と K2CAD側の 対応する参照番号(部品符号)が同じであること
   A 回路図エディタ側の 部品の端子番号  と K2CAD側の 対応する端子番号が同じであること。(注)
   B パターンを変更したら必ずDRC(Design Rule Check)を実行してから、ファンクションキーF11を押す。

    (注) 端子番号は K2CAD、D2CAD共 算用数字 1,2,3,... 以外にアルファベットを用いることが可能で、 1_Vcc, 2_GND, 3_RC5,等と云った端子番号が設定できる。
       しかしこの場合この場合 K2CAD 側と D2CAD側の端子番号で 異なる番号(番号名称)となるミスが発生し易くなる。 1字でも異なるとラッツネットは同じ
       番号とは認識しないので注意が必要である。
         すなわち、下記の K2CADの部品端子編集ダイアログの ”端子”の番号と D2CADのピン編集ダイアログの名称グループの”番号”とが同一のものが
       (パターンが未接続であると)ラッツネットで白色の点線で接続される。

K2CAD

部品端子編集ダイアログの
端子番号設定画面
D2CAD

ピン編集ダイアログの
端子番号設定画面





■ D2CADからのネットリスト出力
 ・D2CAD側でもプロジェクトを作成する必要があります。
 @ 回路図を作成します。( → dcdファイル





A あらかじめプロジェクト用のフォルダを作っておきます。ここでは Ratsnets2 Startと云うフォルダ名とします。
  プロジェクトアイコンをクリックすると以下のプロジェクトダイアログがあらわれます。(K2CADでプロジェクトと作成する場合と全く同じ要領でプロジェクトを作成します。



 B 新規にプロジェクトを作成するので、プロジェクトファイル名のコンボボックス右端のファイルアイコンをクリックすると以下のダイアログが現れます。
    ファイル名のテキストボックスにプロジェクト名をキーインして、開くボタンをクリックすると、新規ですので ”ファイルを開く”のメッセージボックスが
   現れます。 




 C はいを選択し、追加ボタンをクリックして 使用する*.dcdファイルを追加します。


 D *.dcdファイルのメニューバーの [ツール] → [ネットリスト] をクリックすると以下のダイアログが現れます。


 E ネットフォーマット形式として、デフォルトの図研のCR3000を選択して 作成ボタンをクリックすると  ***.net と ***.nrpの 2つの テキスト形式のネットリストが生成されます。
   ラッツネット作成に際し、使用するのは 以下の ***.net です。



/*
* D2 CAD Net List File
* File : C:\Users\ysaito\Documents\K2 CAD\Home K2CAD\HP\2014\Ratsnet2 Start\Ratsnets2 Start D2.net
* Date : 2014/04/09 18:06:25
*/

$CCF
{
NET {
NET000001 : C1(1) , CPU1(16) , OSC1(2) ;
GND : C1(2) , C2(2) , C3(2) , C11(2) , CON1(2) ,
CPU1(5) ;
NET000002 : C2(1) , CPU1(15) , OSC1(1) ;
NET000003 : C3(1) , CPU1(13) ;
NET000004 : C11(1) , CON1(1) , CPU1(14) , D1(1) , R1(1) ;
NET000005 : CPU1(1) , R2(2) ;
NET000006 : CPU1(4) , R1(2) ;
NET000007 : D1(2) , R2(1) ;
}
}






<追記1> D2CAD: ワイヤの信号名によるネットリスト作成
       D2CADでは、回路図上ワイヤで直接部品の端子同士を接続しなくても、ラインの信
号名を設定して 信号名が同じであれば接続していると
      みなすネットリストが生成されます。 バスラインは、ネットリスト出力に全く影響を与えません。信号線が複雑になってワイヤを記載したくない時
      また、バスラインを使用した回路図からネットリストを出力したい場合等に有効です。 以下に ワイヤを接続しないで 信号名をワイヤに
      命名することによって接続されたとするネットリストを出力した例を紹介します。

@ 回路図を作成します。
CN1のピン番号1とTR1のピン番号2は
ワイヤでは接続されていません。
A

TR1のピン番号2に接続されている
ラインを選択して右クリックして
ライン編集ダイアログを表示します。
最上段のテキストボックスに
信号名”102” を入力して OKを
クリックすると信号名がライン上に
表示されます。
B 同様に、CN1のピン番号1に接続されて
いるラインの信号名も”102と命名します。
C メニューバーの[ツール]→[ネットリスト]を
クリックして ネットリスト作成ダイアログを
表示させて 作成ボタンをクリックして
ネットリストを出力します。
 


D 以下に 出力したネットリストを記載します。
  CN1のピン番号1とTR1のピン番号2が接続されているネットリストが出力されています。

*****.nrp ファイル
//--------------------------------------------------------------------------------
D2 CAD Net Infomation file Ver 1.11
作成日時 2014/04/14 11:09:04

ネットグループ数 3
配線総数  3
接続ピン合計   6

Open Net(s)

Open Alias Net(s)

Alias Net(s)

[DRC Output-Output]

[DRC Output-In Out]

[DRC Output-Open L]

[DRC Output-Open H]

[DRC Output-3 State]

[DRC Output-Power]

[DRC Open L-Open H]

[DRC Open L-Power]

[DRC Open H-In Out]

[DRC Open H-Open H]

[DRC Open H-Power]

[DRC 3 State-Power]

[DRC In Out-Power]

[DRC All Input]

[DRC All OpenL]

[DRC All 3 State]

[DRC Open pin]





****.net ファイル
//-----------------------------------------------------------------------------------------------------
/*
* D2 CAD Net List File
* File : C:\Users\ysaito\Documents\D2 CAD\Home Data D2\YsDesign\EXP16-MX001\netlist test\test for netlist.net
* Date : 2014/04/14 11:09:04
*/

$CCF
{
NET {
102 : CN1(1) , TR1(2) ;
NET000001 : CN1(2) , TR1(3) ;
GND : CN1(3) , TR1(1) ;
}
}



<追記2>D2CAD: 電源(部品)、グランド(部品)の同一性
   D2CADの電源(部品)、グランド(部品)の同一性は、”ピン名称”が同一か否かです。 部品名、ピンの番号は同一性に関与していません。
   以下に、その例を示します。
    回路図からみると D1のアノード A 端子と D2のアノードAは同一電位ではありませんが、ネットリストは 電源(名称)+100V と電源(名称)-33Vは
   同一電位と判断しています。

@ 回路図では電源(名称)+100V と電源(名称)-33Vで
異なった電位を表している。
A 電源(部品)+100V と 電源(部品)-33Vの構成を
修正編集により調べてみると、ピンの番号は異なるが
ピンの名称のみが同一の ”+5V” となっています。
B ネットリスト(右記 ***.net)を出力してみると D1の
アノード A 端子とD2のアノード A 端子は、同電位と
判断していることがわかる。

/*
* D2 CAD Net List File
* File : C:\Users\ysaito\Documents\D2 CAD\Home Data D2
\HP\Denkizatugaku\2014\PowerTerminal\PowerTerminal.net
* Date : 2014/04/14 23:09:50
*/

$CCF
{
NET {
+5V : D1(A) , D2(A) ;
GND : D1(K) , D2(K) ;
}
}

   <追記3>D2CAD: 異なる信号名のワイヤの接続
      異なる信号名のワイヤーは 回路図でワイヤを下記のように接続することによって ネットリスト上で接続可能です。 但し、ネットリスト(*****.net)の
     信号名は D2CADがネットリスト作成処理をおこなう際、最初に処理する信号名となる(山下さんに教えてもらいました)こと、 すなわち回路図の配置、
     信号名等により一意的にきまることから 設計者が意図する信号名とすることは極めて難しいようです。



■ ラッツネットの表示

 @ K2CAD(*.kcd)で 実装すべき部品を配置します。



 A プロジェクトアイコンをクリックしてプロジェクトダイアログを表示します。
   D2CADプロジェクトファイルのテキストボックスに D2CADの回路図のプロジェクトファイルをセットします。 そして、ネットグループの チェックボックス”ネットを使用する”に
   チェックをいれます。 フォーマット形式は CR3000を選択し、接続テキストボックスに使用するネットリスト*.net ファイルをセットしまたら OKボタンをクリックします。
  



 B DRC(Designe Rule Check)後、 ファンクションキー F11を押すと 部品の端子間を点線の直線で結ぶラッツネットが表示されます。
    尚、もう一度F11を押すラッツネットは消えます。



 C 端子間をつなぐ点線のラインは その端子間のパターンが接続されると表示されなくなります。